若い時に比べて病院に通うことが多くなってみると、タイトル通りやたらと怒っている爺さんを頻繁に目にするようになりました。病院では人間の素(す)が出るのでしょうかね。
この日も、病院のミスにえらい剣幕で食ってかかっている、私とほぼ同年代の爺さんが居て、そのやりとりを聞くともなく聞いていました。というか聞きたくなくても待合室中に響き渡るような大声ですから、私含め全員に聞こえています。
何でも、次回家族付き添いが必要な検査を受けることになって、現役で忙しく働いている娘さんに何とか仕事の調整を付けてもらって、ようやく段取りが終了したのに、看護師の手違いでその日程が1か月ずれていたことがその後発覚した、ということのようで、その看護師さんは平謝りです。
まあ聞いた限りではどちらが悪いかは明白で、怒りたい気持ちもわかりますが、爺さんの方は怒っている内にどんどん気持ちが昂ってきたようで、ますます大声を張り上げて延々と彼女を責めます。いい加減にして欲しいなと思っているところで、何とか本人も気持ちの整理をつけたようで、「ホントにいい加減にしろよ」とかまだブツブツ言いながらも電話をかけ始めました。付き添いを頼んでいたらしい娘への予定変更の電話だった訳ですが、そこから正に180度豹変して、気持ち悪いくらいの猫なで声で「〇〇ちゃんゴメンね~、せっかく調整してくれたのに担当の看護婦が間違えちゃって、、」と、娘と話し始めました。
昔良く見たドリフのコントにでも出てきそうな光景で、待合室の全員でズッコケたいような気分でしたが、他人には高飛車で身内には甘いというこの態度は、コントにもできないようなお粗末さです。
割と頻繁にこういった爺さんを見かけるので、ある程度のパターンが見えてくるのですが、こういった怒る爺さんは、どうも敬意を払われることに慣れた、偉い(偉かった)人に多いような気がします。俺は本当ならもっと敬意を込めた対応をされてしかるべき人間なんだ、という思いがいつまでも抜けないという事なのでしょう。敬意を払われるような立ち居振る舞いをしないから敬意を払ってもらえない、という至極当然の結果が今表れているだけだと思いますし、こんな爺さんは仮に昔偉かったとしても他人はその肩書に敬意を払っていただけだと思います。
コンビニのバイト君に聞けば、嫌な客はエリート(風の)中年・中堅サラリーマンに多く、見るからに怖そうなガテン系のアンちゃん達は意外と優しいのだそうです。
エリート風の彼らは、コンビニで働く人たちを見下しているのかも知れませんが、そもそもそれ自体が大きな勘違いです。
と、偉そうな人に偉そうなことを言っている私ですが、家族で食事に行ったときなどは、お父さんの口の利き方は偉そうだと常に叱られます。私としては客だからというよりは、殆どの場合私の方が年上なので自然と「〇〇してくれる?」とか「〇〇はないかな?」などの言い方になるのですが、それが上から目線で偉そうだと感じるようです。
この言い方は、丁寧語である「ですます調」に対して、「だである調」、常体語と呼ぶらしいですが、私みたいな爺さんが使ってもやはり偉そうですかね?