桜旅の12日目は高松市のビジネスホテルで迎え、呑んで一緒に泊っていた友人たちと別れて岡山に向かいます。番外編の第2弾、父親の墓参りですが、岡山に新幹線で向かっている家族と合流し、ついでに一泊して岡山観光です。
この日、ハイエースは香川県側の瀬戸大橋最寄り駅である宇多津駅の駐車場に置いて列車で岡山に向かい、レンタカーを借りる予定でした。私のハイエースはでかい図体の殆どがお一人様車中泊仕様となっており、5人乗車するのは難しいという役立たずなのです。
旅の計画段階では、この時点でまだ四国の桜を見残していて、再度四国に戻る必要があるという前提だったからなのですが、既に四国四県は回り終えていましたから、そのままハイエースで海を渡り、岡山駅の隣、大元駅前の駐車場にハイエースを置いて岡山で家族と合流することにしました。岡山駅周辺は駐車料金高いのです。
途中休憩した与島PAからは、流れの速い海で巧みに船を集結させて漁労中の、多くの漁船が見えました。
岡山駅近くのタイムズレンタカーでクルマを借り出し、実家に母を迎えに行きます。クルマはスズキのソリオで、流石に4名乗車、瞬間的には5名乗車での上り坂は苦しいですが、車内も広く通常シーンではキビキビ良く走ってくれました。
父の墓がある寺も桜に彩られていて墓参りにはいい季節です。それもあって命日は12月なのですが毎年この時期にお参りしています。
墓参を終え、母と近くのファミレスでしばし懇談後はこの日の宿に向かいました。岡山県の湯郷温泉というところにあるホテルで、古びてはいますが手入れも行き届き快適な宿でした。夕食は若い子供たちも居ますから、しゃぶしゃぶです。
一泊した翌日は温泉郷からも近い津山城に向かいました。前夜、津山城夜桜見物のツアーがあったのですが夕食時間とかち合っていて断念しましたので、そのリベンジです。
9時頃津山市内に到着した時には、日曜日とあって既にかなりの人出でお城の駐車場には長い車列もできていたのですが、タッチの差で隣の駐車場のほぼ最後の枠に滑り込むことが出来、待ち時間無しで登城できたのはラッキーでした。
桜は満開、春休み最後の日曜日、天気は快晴と混雑の要件がすべて揃っていたのですが、駐車に手間取らずすんなりお城に入れましたから、大混雑となる前にゆっくり桜見物できました。
ここのお城と桜はかなり凄いです。一番いい時期だったという事もありますが、弘前城や五稜郭と比べても遜色無い位強い印象を受けました。
まだ家族の帰りの新幹線までは時間がありましたので、少し寄り道して総社(そうじゃ)市にある「鬼ノ城(きのじょう)」に行って見ることにしました。以前息子・娘との3人で立ち寄ったことがあるのですが、この時は帰りの飛行機まで時間が無く、ビジターセンターまで行っただけだったのです。
鬼ノ城は対朝鮮防衛の為の山城と推定されていますが、一方で城の主と伝わる温羅(うら)は、この地方の古代の鬼で、古代吉備地方の統治者であったと言われています。吉備津彦命(きびつひこのみこと)が、大和朝廷より派遣されて鬼である温羅を退治したとの伝承は、大和朝廷に対立する吉備の豪族が鬼として描かれたものなのでしょう。
この鬼退治伝説が桃太郎の鬼ヶ島征伐の原型に当たるとの説もあり、そして一方では温羅を善として描く伝承も地元にはあるようです。
鬼ノ城のある鬼城山を下りて、遅い昼食を近くで見つけた蕎麦屋で食べました。「ぼっこう蕎麦 水仙亭」という店で、私たちが頼んだのは出雲そば風の割子そばですが、私のシンプルな蕎麦に比べて子供たちが頼んだのは見た目も華やかな御膳で、「ぼっこう=ぼっけえ」=「もの凄い!」というネーミングが何となくわかる蕎麦でした。
この後岡山駅で家族と別れ、私は大元駅でハイエースを引き上げて兵庫方面に向かいます。もう夕方でしたからこの日は風呂もパスして、瀬戸内海沿岸部を兵庫県方面に走るブルーハイウェイにある道の駅で車中泊、また次の日からは関西方面の一人桜旅が始まります。