阿部寛が主演の映画「ショウタイムセブン」をNetflixで鑑賞しました。録画したTV番組も底をつき、面白そうな番組も一切無かったので、食後の妻との団らん(?)中に観たものです。
最近では、お互いが家で居ても食事時以外は思い思いの時間をリビングと自室に分かれて過ごすことが多いですから、この時間の会話は貴重なのですが、かといって面と向かって会話するというのも今更な感じですから、TVを掛けっぱなしにしながらダラダラ話す、ということが多いのです。しかしこの日はそういう事情で二人での映画鑑賞となりました。映画ともなるとTVと違って観ながらの会話というのは難しいのですが、この日は止むなしです。
夫婦の会話が少なくなることはいけない兆候なのかも知れませんが、私たち夫婦は二人ともどちらかといえば猫型で、過度に干渉されたくないタイプですから、昔からこれくらいの距離感がちょうどいい感じなのです。ただ猫だって自分が構って欲しい時には思い切り甘えて来ますし、我々にもその気分は勿論ありますから、私が丁度良い距離感と思っていたら妻の方は寂しい思いをしていたということもあり得ますし、妻に距離を取られて悲しかったということもあります。何十年も一緒に暮らしていても、人との距離感というのは難しいなあというのが今更ながらの実感ですね。
改めてこの映画についてですが、これはテレビの生放送中に爆弾犯との命がけの交渉に挑むキャスターの姿をリアルタイム進行で描いたサスペンスで、2013年製作の韓国映画「テロ、ライブ」が原作なんだそうです。軍事スリラーやサスペンス物は私の好物なのですが、邦画ではあまり佳作と思えるものに出会ったことが無く、その点では桁違いの製作費を投入するハリウッド映画には敵わないなと感じていました。ところが近年になってCG技術が進化して来て、ゴジラなどの新作では陳腐さを感じなくなってきました。先日久しぶりに観た邦画サスペンスの「新幹線大爆破」も旧作のリメイクでしたからストーリー的にはある意味安パイで、そこに最新のCG技術が加わっていましたからかなり面白く、この映画にも期待していました。
また阿部寛は好きな俳優で、以前家族で人形町に行った時にたまたまロケ中の彼と遭遇したことがあるのですが、他の人より頭一つ抜けた長身とスマートさにオーラがかかっていて、正にスターという感じでした。
鑑賞後の感想は、殆ど阿部寛の一人芝居だなというものでした。吉田鋼太郎、平田満など芸達者な役者さんが脇を固めているのですが、彼一人がTVスタジオ内で全ての舞台回しをしている感じです。正直当初の期待感には及ばなかったですが、まあ阿部寛の力量は感じることが出来ました。
ただし生見愛瑠(めるる)の演技はどうひいき目に観てもお粗末だと思います。ただ声を張り上げるだけで何の情感も感じられず、何故ここに起用したのかがわかりませんでした。一部では演技が上手とか言われているらしいですが。