サラリーマン生活を終えて、昨年初めての青色申告をしてからもう一年が過ぎました。去年は初めてということもあって結構前から計画的に準備もしていたのですが、今回はなかなかエンジンが掛かりません。
現役の頃と比べると着実に収入は減ってきている訳で、収入が減れば納税額も減ります。それ自体は全く問題ない事なのですが、雇用されない立場になると、あらかじめ源泉徴収される収入(所得税を仮納付している)も少なくなりますから、普通に考えれば、確定申告をしても還付される額は少なくなる訳です。税金の還付をモチベーションに確定申告していたのに、それが薄れてきたということは間違いありません。まして昨年は、新型コロナウイルスの事業への悪影響を補填してくれる「持続化給付金」というものを有難くいただいていますが、これは源泉徴収されておらず、非課税でもありませんから、今年は下手したら還付じゃなくて追徴かも、、?とか考えると益々やる気が起きません。何とか体勢を立て直して、2月16日の申告開始には間に合わせたいです。
青色申告を始めて感じたことは、自営業は思ったほど税制面での優遇はないんだなという事です。サラリーマン時代には、自営の人たちは生活費全部を経費で落としていて、、みたいに思っていましたが、決してそうではありませんね。
特に、経費で落とす=タダ、みたいな印象を持つ人も多いようで、そこは大きな誤解です。経費で落とすという事は、課税のもととなる所得がその分減るという事で、その人の税率が仮に8%だったとしたら、経費で落とした額の8%分だけ税金が減る、というにすぎません。
例えば、フリーランスで頑張ってきて、年収(売上)が1000万円を超えたので、自分へのご褒美も兼ねて、BMWを1000万円で事業用車両として購入した、と仮定しましょう。
細かな控除は省いてザックリ計算しますが、1000万円の年収があれば各控除を引いた所得も650万円程度にはなるでしょうから、税率は20%で、所得税は130万円です。(この後税額控除というものもあるのですが、ここでは無視します。)
クルマは6年で残額10%まで償却しますから、1000万円のBMWは、1年で150万円が経費として処理でき、所得は500万円、所得税は100万円となります。
差し引き30万円がセーブできたことになりますが、思ったより少なくないですか?
勿論クルマの減価償却は6年続きますから、合計180万円の所得税セーブとなり、決して小さい金額ではないですが、1000万円の車両価格からすれば18%に過ぎません。それに自営業者の場合、営業用のクルマを自家用にも使うことが多いですから、この場合はその比率によって家事按分という処理が必要となり、仮に半々で使っていた場合は経費で落とせる分は年15万円、合計でも90万円となります。
税理士さんに会計・税務処理をお願いしている場合、日常生活のすべての領収書、レシートをそっくり渡せば、その殆どを経費処理してくれる、みたいなことを聞いたこともありますが、これも事業にかかる経費なのか、私生活で使った費用なのかを分けているのは当然です。(と思います)
私のような零細個人事業主は、税務署は目に留めてもいないのだろうと思っていたのですが、事業所登録をして青色申告の手続きを始めた2年前には、上の記事にあるように税務署から確定申告の証憑提出の指示が来たこともあります。脱税に手を染めるほどの所得がないことは上に書いた通りですが、まあ1円でも税金を安くしたいのは人情ですので、出来る範囲で頑張ってみます。
そういえば、1000万円のBMWには及びもつきませんが、昨年は我が家でもクルマを入れ替えていて、これは事業用にも使っていますから、経費計上が可能です。