6月30日の月曜日、ハイエースで東北方面の車中泊旅に出発しました。
今回の車中泊旅は前回のブログで紹介した通りAIのお勧めに従ったもので、それに寄れば初日は福島県観光で、テーマは「裏磐梯と会津の涼と歴史」でした。ただ会津若松は鶴ヶ城や白虎隊の飯盛山見学も経験済みでしたので今回会津若松はパスして、裏磐梯の五色沼観光に絞る積りで出掛けました。
AIは高速利用を想定した行程を組んでいるようでしたが、私は下道を走る積りでしたから、時間的にも裏磐梯に登ってそのままそこの道の駅で車中泊、というのが妥当そうでしたし。
まずは千葉県から茨城県を目指し、取手で国道294号線に入ってひたすら北上します。東北へ向かう一般国道としては国道4号線が大動脈ですが、このR294はその東側をほぼ並行して走る抜け道的な国道で、私はいつもR4よりこちらを選んで走ります。とはいっても茨城県から栃木県にかけては片側2車線の結構な幹線道路で、それが真岡を過ぎたあたりからは片側1車線の、三桁国道らしい鄙びた道となります。それが猪苗代湖まで続きますので、200km以上R294を走り続けたことになります。
途中栃木県の那須町を通過中に「岩観音」という案内板を見つけて、ちょっと立ち寄ってみました。通称「堂の下の岩観音」というのだそうで、私以外には訪れる人もいませんでしたが、観音堂や岩肌に昔の信仰の跡を感じることが出来ます。
五色沼に着いたのは15時前、全てのコースを巡るには1時間半以上かかるみたいでしたので、このひは柳沼、青沼、るり沼の3つを回るショートコースで満足することにしました。五色沼は、エメラルドグリーン、コバルトブルー、ターコイズブルーなど様々な美しい色が見られる多くの湖沼群ということで名付けられているのですが、当初私は5つの沼の事だと勘違いしていました。
入り口や途中至る所に「熊注意」の看板があり、少しビクビクだったのですが、このショートコースには行き交う人も多く、途中では賑やかな中学生の遠足とも合流しましたので、全くその心配はありませんでした。
五色沼の後は、少し歩いて汗もかきましたので一風呂浴びてから道の駅に向かうことにしました。
最初に向かったのは去年夏の車中泊旅でお世話になった桧原温泉のたばこや旅館という温泉宿です。鄙びた感じがとても好きだったのですが、駐車場にハイエースを停めて降りようとしたところ、おかみさんが出て来て、今は日帰り入浴やってないんですと言われました。確かにそう繁盛している風ではありませんでしたが、一年で廃業となってしまっていたのは残念です。仕方ありませんからまた五色沼まで戻り、裏磐梯レイクリゾートという立派なホテルの日帰り猫魔温泉に行くことにしました。
ここの設備は4つ星ホテルらしく立派で文句はなかったのですが、思わぬハプニングに出くわしました。露天風呂にゆっくり浸かって、烏の行水の私にしては長風呂を堪能して脱衣所に戻ってみると、私の着替えがどこにも見当たりません。
ここは昔ながらの脱衣籠方式で、誰でも手を出すことはできますが、普通他人の着替えに手を出すような奴は居ませんし、財布やスマホは貴重品ロッカーに預けましたので金目のものもありません。どうしようと思ってふと隣で着替えているお爺さん(私より更に一回り以上も年配に見えるが、理知的な雰囲気)が、私が着替えを入れて来たトートを持っています。
「それ私のですよ」と声を掛けると、「ああすみません」と返してくれたのですが、中は空っぽです。「ここに着替えが入っていたはずですが?」と更に尋ねたところ、きちんと帯も締めた浴衣をはだけて、「ああ」と一言。私のTシャツ、スウェットパンツを浴衣の下にちゃんと着込んでおり、ご丁寧にその下にはパンツまで履いて、私の眼鏡も掛けていました。「勘弁して下さいよ!それ全部私のですよ!」と言いかけて、流石にこれは尋常ではないなと気付きました。完全に痴呆状態のようです。
そこからは極力優しく全てを脱いでもらって、汗ばんだものを黙ってそのまま着て帰って来ましたが、他人が履いたパンツをそのまま履いたのはこの長い人生でも初めての経験でした。
まあ自分もいつそうなるかはわかりませんし、ご本人を責める気は全くありませんでしたが、ご家族(浴衣を着ていたということは宿泊客ですので同行者は居たはず。)には一言状況をお伝えした方が良かったのかなと、後になって思いました
ちょっと暗い気持ちで着いた「道の駅裏磐梯」は、今回が3回目の利用となりましたが、静かで使いやすい道の駅です。コンビニで調達してきた食材で夕食を済ませ、早々に就寝しました。
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