今月末に誕生日を迎える息子は、一人暮らしとはいえ30分もかからない所に住んでいますから、割と気軽に帰って来ています。ところが7月には都内に引っ越すことが決まっていて、更にそれを期に同棲することになっていますから、これまでのように頻繁に帰ってくることは無くなるでしょう。
親子3人でのお祝いはこれが最後かも知れませんので、何か食べたいものあるかと聞いたところ、「河豚(フグ)」と言い出しました。
フグと言えば冬と相場は決まっているのですが、最近では養殖フグも出回っていて、通年営業のフグ料理チェーンもありますから、食べられないことはありません。
養殖のおかげで値段が下がり、また通年営業できるのでチェーン店も成り立つようになりましたから、今ではフグも随分身近になりましたが、今でも高級食材であることは確かです。
冬の天然物しかなかった時代、フグ料理店は夏場に何を扱っていたのかと調べてみると、代表格は夏の高級魚である鱧(はも)で、その他、鱸(すずき)、穴子(あなご)、鰹(かつお)などが多かったようです。特にハモはフグと同じく骨が多い魚ですが、骨切りの技術を活かせるので、夏場の食材として提供されていたのだそうです。
またこれは私の個人的な感触ですが、関西では冬場にフグでも食うかという事になると「やった!」という感覚があったのに対して、関東では高級食材という認識はあってもさほど万人受けはしなかったような気がします。それが鰻となると印象が逆転して、関西では余り馴染みがなく関東で認められていたように感じていました。冬と夏の違いはありますし、今ではどちらも同じように愛されているとしても、関東でフグ食べに行こうかと誘った時の反応と、関西で鰻食べに行こうかと誘った時のやや薄い反応は似ていた気がします。逆の場合は上に書いたように喰い気味の反応でしたが、、、。
ということで息子と待ち合わせて、柏にあるフグ料理のチェーン店に行って来ました。「玄品ふぐ」という店で、過去何度か行ったことがあるのですが、今では店名が「玄品」となり、全国で70店舗弱を運営しているみたいです。
土曜日夜という事もあってか店内は多くのお客さんで賑わっていました。フグは冬という図式も今はもう古いのかも知れませんね。
ふぐ皮の湯引き
てっさ(ふぐ刺し)
唐揚げ
焼きふぐ
てっちり(ふぐ鍋)
雑炊
デザート
といったコースに焼き白子を追加し、息子や妻はヒレ酒などを飲みながら(私はウーロン茶=運転手)、美味しくいただきました。
雑炊は息子が大半を平らげましたので、糖質、コレステロール、脂質に注意すべき我々夫婦にとっても最適な夕食となりましたが、一昔前に北新地当たりのフグ専門店でこれを注文したら結構な出費を覚悟しなければならないところだったでしょう。そういう点は日本の飲食業界の改善努力のおかげだと思います。
例によって写真は中途半端にしか撮れていませんが、以下に載せておきます。最後のてっちりは、女性スタッフが作ってくれたのですが、「映えるビジュアルに出来なくてすみません」とわざわざ言ってくれました。そもそもフグが透明に近いですし、他の具材も色の薄いものばかりですからそうなるのは当然で、全然気にすることないよと笑いながら答えたのですが、最近はそういうことでもクレームになり兼ねないんですかね?困った世の中ですね。